空と大地と植物と。②
オーストラリア・ブッシュ・フラワーエッセンス（ABFE）のオーストラリア本国での９日間の研修旅行。
後半は、ABFEの本社もあるシドニー近郊のテリーヒルズを訪れました。
緑豊かなテリーヒルズのブッシュ（灌木地帯）で、エッセンスでも使われているたくさんの花々を観察しながら、その特性を深く学ぶことができた今回の研修。その中でも、実際に自分たちの手でフラワーエッセンスを作る機会を得られたことは、本当に貴重な素晴らしい経験となりました。
今回私たちが作ったフラワーエッセンスは、シドニー・ローズという花のエッセンスです。
直径２センチほどの小さく可憐な花ですが、思わず目を引く純粋なピンク色がこの上なく美しく、ブッシュの茂みの中で、まるで小さな宝石が咲いているかのような愛らしい華やかさを感じさせる花でした。この花の特性は、切り離されてしまったような感覚や、見捨てられたような感覚を癒やして、ハートの奥深くから感じる共感や結束感、つながりや安心感を感じられるようにしてくれるものです。
エッセンスを作る作業に入る前に、シドニー・ローズにチューニングすることを教えられました。チューニングとは「周波数を合わせる」という意味ですが、静かに花と向き合うことで、その花を深く感じて、花と対話していくようなイメージです。心をまっさらにして花と向き合って、その花が持つエネルギーとゆっくりと同調していくことで、心の中にいろいろな感覚や気づきが浮かんできます。いわば花との瞑想のような時間です。
これから作るエッセンスの特性を深く捉えていくための大切な時間であるとともに、エッセンスを作るために花を摘み取ることへの感謝と、その許しを得るための大切な儀式でもあるのです。
参加者は、それぞれが見つけたシドニー・ローズを前に、静かに腰を下ろして花との対話を始めます。
しばらく目を閉じて花を感じていると、ブッシュを吹き抜ける風の音や、さわさわと揺れる木々の梢の音、鳥の美しい鳴き声、太陽の光の暖かさなどが、五感を通してじっくりと、でもはっきりとクリアに、身体全体に染み込んでいくような感覚になりました。
目を開けると、オーストラリアの真っ青な空の色、風に揺れる美しい木々の緑、落ち葉に彩られた土色の大地、そして、この上なく清らかなシドニー・ローズのピンク色が、目に染み渡ってきます。
今、この時、この場所で、距離も場所も時間も超えて、この花とともにいること。
数ある植物の中でも、今、目の前にいるこの花と出逢ったこと。
そのことを、深く感じました。
この花は、光や風や大地や大空とともに、そして他の動物や植物たちとともに、ずっとこの場所で生きてきたということを心で理解しました。取り巻くすべてとのつながりがあってこそ、この花の命は生きているのです。
そしてそこへ私は訪れて、それらのすべてと出逢ったこと。
今、この時、この瞬間に、すべてがつながっている、そのことの深い安らぎと信頼と感謝を、言葉を超えて感じた経験でした。
シドニー・ローズのエッセンスの特性については、これまでも頭で理解はしていましたが、実は心のどこかで抽象的な感覚もあって、自分の中で十分につかみきれていないところがありました。でも今回、シドニー・ローズと心で向き合えた出逢いを通して、その本当の特質を、深く感じる事ができました。
シドニー・ローズは、ABFEの数あるエッセンスの中でも、特別な意味を持つものの一つとして捉えられています。この花から教えてもらった素晴らしい恵みを、これからも多くの人に届けていきたいと強く思います。