「真正な力をいただく 〜植物療法の恵み〜」
真正であること。
これは植物療法の核心を示す言葉です。
植物療法では、ある植物に含まれる特定の有効成分のみを断片的に用いるということをせず、成分であれ、エネルギーであれ、その植物が持つ力をそのまま丸ごと汲み取り、治癒に活かします。
つまり「切り取る」のではなく、その植物が一つの生命として「全体で表現している」、あるがままの力を、そのままいただくのです。
植物は、自らの姿形や、花びらの色、枚数、生息地や好む土壌、そしてその生き様などを通して、「自分がなにものか」「自分にどんな力が備わっているか」を、私たちに伝える“サイン”を送ってくれています。
はるか昔、まだ化学分析の手法など存在しない時代から、人々は、そうした植物が外側に現しているサインによって、その植物がどのような効果効能を持つのか、肉体や精神のどんな不調に働きかけて、私たちを助けてくれるのかを、直感的に正確に捉え、その恵みを活用してきました。
外徴理論／特徴表示説（Doctrine of Signature）と呼ばれる、植物療法の世界を紐解く鍵となるこの考え方は、人々が太古の昔から、一つ一つの植物の姿形全体を包括的に捉えることで育まれてきたものです。
例えば、現在の西洋医薬で解熱鎮痛剤として用いられる「アスピリン」は、もともとセイヨウシロヤナギという植物の樹皮に含まれるサリシンという物質をヒントに合成されたものです。
古代ギリシャ・ローマ時代から、葉の裏が白い柳の木の樹皮に、解熱作用や鎮痛作用があることは知られていました。
セイヨウシロヤナギは、水辺に生え、水の近くに根を張って生きる植物です。
気温の低い、日の出前には、根から吸収した余分な水分を、枝の分かれ目からしたたり落として蒸発させます。
水辺に生える植物は、熱や炎症、痛みを冷ます効果効能があるものが多く、発汗作用や利尿作用など、まさに体内の“水”に関連した力を持っています。
人々は、植物がその生息地や生き様という符号によって「自分がなにものであるか」を伝える植物の声を聞き、その植物が“分かち合おうとする力”を、濁りのない目で受け取り、読み解き、活用させてもらってきたのです。
植物療法のこの考え方は、人が自分の心と体に対しても、“断片”ではなく“全体”で捉える姿勢を促します。
一人の人間を、バラバラの組織の集合体ではなく、“一つの全体”として見つめ、その全体の調和の中に、その人本来の「真の姿」を見出します。
私たちを形作るのは、臓器や細胞だけではありません。ものの考え方、心のはたらき、日常の所作や言葉や暮らし方など、生きる上でのあらゆる要素が密接に作用し合いながら、一人の人間を構成しています。
そして、それらすべてが統合された全体こそが、その人の“真の姿”であり、そこに本来の健やかさと調和が宿るというのが、植物療法の根本となる考え方です。
植物の恵みを日々の暮らしの中で学んだり、活用したりしていると、体質や体調が整っていくだけでなく、心のありようや考え方、ものの捉え方、生き方など、自分の存在すべてが多面的に変化していきます。
そしてその変化とは、 なにか「別のものになる」という意味での変化ではなく、本来の“真正な自分”に、なるべきタイミングで、なっていく。そういった変化です。
「自分に真正であること」は、私たち人間にとって、大変難しいことです。
なぜなら、私たちは生まれて以来ずっと、周囲の意見や考え方、一般的な価値観や常識で自分を塗り固め、「あるがままの自分では、この世界で生きることは難しい」という恐れに自らを閉じ込めて生きてきているからです。
本来の自分を加工することは、自分を“偽る”ことです。
そしてそれは、その人自身を苦しめます。
「こうあるべき」「こうしなければならない」という価値観や思い込み、恐れからくる思考と観念を自分に強いようとしても、それが真正な自分の望みや欲求と合致しない限り、心と体は深いところで常に抵抗し続けます。
この苦しみは、生命の本質が、どうしたって「真正であること」を求めることによるものです。
いくら思考で自分を加工したとしても、心と体は生まれた時からずっと、“自分の本質”を覚えています。
それでも無理に、本来の自然な在り方とかけ離れた状態でい続ければ、どうしても様々な不調や不快感が噴出し、人生に行き詰まりを感じることになります。
そんな人間に対し、植物たちは、何億年もこの地球に存在し、それぞれの居場所で生き抜く力や、環境に適応するしなやかさ、たくましさを維持してきた存在です。
なぜ、それが可能なのか。
それは植物たちが、「自分がなにものなのかを、知っているから」です。
そして、そんな自分のありのままを完全に受け入れ、くつろぎ、自分と調和しているからです。
自らを偽ったり、加工したりするような生き方を決してしない植物たちは、真の自分の姿をただ純粋に体現していくことに集中しています。
どんな状況下でも、“自分に真正であること”を全うしながら、生命に備わった自らの青写真を現していく、これこそが、植物が持つ大いなる力のひとつです。
「真正さに宿る力」を惜しみなく世界と分かち合う植物たちの魂は、それを受け取る私たちにも、同じように“本物の自分であること”を根源的に促します。
植物療法は、思考、感情、体、暮らし方、生き方など、全ての面において、私たちを自分の存在に調和した在り方へと、自然に導いてくれるのです。
“真正であること”。
植物たちがもたらす、大いなる力を、多くの人に知っていただきたいと思います。
【ご案内】
植物の新芽を用いた、植物幹細胞療法「ジェモセラピー」は、その人の体と心に備わる本来の力を、全体との調和の中で引き出していくフランス生まれの植物療法です。
逢いことばは、「ジェモセラピー」を日本で唯一、専門的に学ぶことができる「エコール ド エルボリストリー」の杉並校として、「ジェモセラピスト養成講座」を開講しています。
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＜エコール ド エルボリストリー 杉並校 ジェモセラピスト養成講座 開講スケジュール＞
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(7/13、7/27、8/10、8/24、9/7、9/21)
※その他、ご都合にあわせた日程・スケジュールでのリクエスト開催を随時承っております。
お気軽にお問合せください。
【内容／カリキュラム】全6回（月2回×3カ月）
Lesson1 ジェモセラピーの導入 定義、歴史
Lesson2 芽・木の生命の過程・芽の種類・芽の断面図・芽の化学構成
Lesson3 HERBIOLYSこだわりの製造方法・溶媒の抽出力・効能・使用方法
Lesson4 自然療法の考え方・６つの異なる老廃物除去器官と４つの解毒器官
Lesson5 ジェモセラピーと自然療法のケア・３つの癒しのプロセス
Lesson6 1～5までの復習・症状別レメディ・カウンセリングロールプレイング
各回3種ずつ、全18種の新芽のインデックス（学名/日本語名/自生地/植物のメッセージ/作用など）を学びます。
＜この講座で学ぶ18種のジェモセラピー＞
1.コケモモ
2.セイヨウサンザシ
3.ヨーロッパダケカンバ
4.シラカンバ
5.カシス
6.ヨーロッパグリ
7.イヌバラ
8.イチジク
9.ラズベリー
10.セイヨウトネリコ
11.ジュニパー
12.ビルベリー
13.クルミ
14.オリーブ
15.ヨーロッパニレ
16.ローズマリー
17.セコイアデンドロン
18.ギンヨウボダイジュ
【受講料】
¥437,800（税込） → ¥327,800（税込）
※受講料割引価格は、2023年7月末までのお申込みの方が対象です。
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どなたでもご参加いただけます。
植物が好きな方、植物療法や自然療法に興味のある方。
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【お申込】
日本ジェモセラピー協会への申込になります。
https://gemmo-therapy.jp/product/gemotherapist-course-module-1/
【詳細・お問い合わせ】
逢いことば／エコール ド エルボリストリー 杉並校
TEL : 03-5303-9730
MAIL : info@aikotoba-salon.com