2024.09.26源庫

気分を変える ~創造者へ還る鍵~

知ってしまえばあまりにあっけない、しかし、俄かには信じがたい、この世界の秘密について書く。その意味するところを素直にとらえ、腑に落とせば、見える景色も生き方も一変する秘密について書く。

我々は、犠牲者ではない。創造者である。
人生で起きる嬉しいこと、悲しいことに振り回され、格闘し、困難を克服していくのではなく、その「嬉しいこと」「悲しいこと」「格闘」「克服」といった、苦、楽、すべての経験を自ら創り上げ、味わっていく存在である。
これが秘密である。これが核心である。

秘密を知り、本来の力に目覚める糸口は、“不快な気分”にある。
我々は、何か「嫌なこと」があると、不安、怒り、悲しみ、憤りといった様々な“不快”に包まれる。例えば、罵倒された、睨まれた、叱られた、嫌味を言われた、騙された、無視された、怪我をした、体調を崩した、太った、痩せた、物を失くした、お金が減った、大切な人にトラブルが起きた、連絡が取れない、騒音、悪臭、仕事の失敗、社会問題、政治の腐敗、不穏な世界情勢、異常気象……。あるいは、そうした具体的な出来事や状況がなくても、漠然と“不快な気分”になることもある。
この“不快な気分”に自分が取り巻かれていることを感じたら、偉大な気づきのチャンス到来である。何をするか?

“不快な気分をやめる”

ただこれだけである。ただし、「不快の原因」を取り除こうとしたり、それに対して前向きな解釈や要素を見つけようとしたりするのではなく、また、何か気分が明るくなるような気晴らしや作業に頼ったりするのではなく本当にただ、“今”、“即座に”、不快な気分そのものを晴らすのだ。いい気分でいようと決意し、即、それをやるのだ。

「そんなことできるはずがない」
できる。
「そんなこと意味がない」
意味がある。というより、これほど意味があることはない。

なぜ「できない」「意味がない」と思うのか? 答えは決まっている。
「だって実際ひどいことがあったから」「だって現実にひどい状況だから」「気分なんて変えたところで、状況が変わらなきゃ仕方ないではないか」「楽しいことがないのに、楽しい気分になんてなれるはずないじゃないか」云々。
つまり、我々は、他者の態度や目にする景色、出来事や状況によって気分が作られ、いい気分であるためには、いいこと、いい人、いい状況が必要だと、当然のごとく信じ切っているのだ。だから、「嫌な状況」を解決したり、「嫌な人」から離れたり、「快適な状況」を作ったり、「好きな人」と一緒にいたりすることで、いい気分を実現しようと考え、実際、そのように行動する。

しかし実のところ、そうした姿勢は、自分自身と生きる世界の関係に対する、完全にあべこべの捉え方なのだ。
実際には、いい気分であれば世界は楽しくなり、嫌な気分であれば世界は苦しくなる。ただこれだけ。これが世界の本質だ。

なぜそうなのか? 我々一人一人は、自分が生きる世界の中心にあり、認識する万物万象を形づくる大本のエネルギーだからだ。そのエネルギーの色に応じて世界は彩られ、そのエネルギーの音に応じた音楽を世界は奏でる。だから、エネルギーを変えれば、見える景色、生きる世界は必ず変わる。

それなのに、他人や状況を変えようとしたり、それから逃げたり、それらを前向きに解釈しようとしたりすることは、ことごとく、「現実>自分の気分、現実→自分の気分」という、倒錯した信念を強化することになってしまう。
これを、「自分の気分>現実、自分の気分→現実」という、本来の認識に修正する必要がある。そのために、現実の状況を操作したり考慮したりすることなく、“ただ気分のみを変える”ということが意味を持つのだ。

それを実践し、効果を体感するのにうってつけなのが“不快な気分”だ。これを、他者や環境や外側の条件に一切依存せず、自分の意志だけで、やめる。
不慣れゆえに、最初はよくわからなかったり、不快に吞まれたり、「現実の状況」に引き戻されたりして、なかなかうまくできず、難しさを感じる人も多いだろう。人によっては無理、不可能とすら感じるかもしれない。

しかし、それでも決然と、“不快な気分をやめる”。ここでの朗報は、不快な気分をやめると、気分は自ずと楽になり、明るくなるということだ。もし少しでも、不快な気分をやめられたなら、たちまち自分をとりまく空気の変化に気が付くはずだ。先ほどまで、恐ろしかった他人の態度や出来事や状況が、大した問題ではなくなってきている。
軽くなっている。明るくなっている。楽になっている。
そして「よし、完全に、不快な気分、この空気を払おう」と決める。
さらに軽くなる、明るくなる、楽になる。楽しくなる。元気になる。
もう、さっきまで悩んでいたことは、取るに足らないものとすら感じたりする。

これをいつも心がける。どんな時でも、不快な気分が兆したら、即、それをやめる。それを続けるうちに、確実に展開が変わってくる。本当に変わってくる。
まず自分を取り巻く状況や人々の意味が変わり、次いで、状況や人々自体が明るい気分に調和した明るいものに代わり、楽しい出来事、嬉しい出来事が現れてくる。
こうして、自分はこの世界の犠牲者ではなく創造者であるということを、理屈や観念ではなく、事実として実感し体験する。

ただ気分を変える。気分を自在に支配する。
それによって我々は世界を創ることが現実にできるのだ。
気分こそが突破口。それは実に強力で確実な突破口なのだ。

これを知り、実践した時、初めて、我々は、本来の自分らしく生きられるのだ。
それは実に、自由で、楽しく、面白く、活力にあふれた人生だ。