2020.09.03雪水清花

心身の健康を超えて 〜本当の健やかさ〜

“健やかであること”
これは人生で非常に重要な、大きなテーマです。

そもそも、「健やかさ」って、どういうことでしょうか?
身体も心も健康で元気であること。確かにそれは、とても健やかなことです。
不安や恐れが何もないこと。それも、とても素敵なことです。
でも、“心身の健康”や、“心配事が何もない状態”という条件が揃わないと、健やかとは言えないのでしょうか。

そんなことはありません。
健やかさとは、何かの条件が整ったときにだけ感じて良い、というものではありません。
常に自分の状態を、何らかの条件や前提と照らし合わせて「果たして自分は健やかなのか?」と推し量り、やっと自分の状態に許可を与えられるようでは、そもそも健やかさの大きな基盤である“安心感”や“くつろぎ”を、決して得ることができません。

健やかさとは、どんな状況でも、どんな条件でも、常に“ありたい自分”を思い描き続ける強さです。自分の内面に息づく夢や理想や意志や希望の価値を、外側の現状や境遇で揺らがせたりしない強さです。
条件や状況がどうであろうと、誰に何を言われようと、“ありたい自分”を思い描き続けるとき、そこには、全面的な自分への信頼があります。自分の人生を引き受けて前進する覚悟と決意があります。反応や結果がどうであろうと、絶対的な信頼とともに、自分の命と人生に最上級の祝福を送り続けること。それこそが、真の健やかさです。

「そんなの無理」
そう感じるかもしれません。
「そんなの理想論だよ」
冷笑したくなるかもしれません。
でも、ちょっとだけ立ち止まって考えてみてほしいのです。

「どうせ思い通りには進まない」「何をやってもうまくいかない」と思っているのは誰なのか。
「今の自分にできるはずがない」と思っているのは誰なのか。
「自分はどうせツイてない、不幸だ」と思っているのは誰なのか。
自分で自分に制限をかけているのは、一体誰なのか。

本当は“こうありたい”という思いがいつもあるのに、その真の素晴らしさを自分でないがしろにしながら、その思いを抱き続けることを許していないのは、ほかでもない自分自身ではないでしょうか。

外側の状況がどうであろうと、ここでもう一歩だけ進んで考えることを、自分に許してあげてほしいのです。

「本当は、どんな自分が好きなの?」
「本当は、どんな風になりたいの?」
「本当は、どうありたいの?」

現状がどうであろうと、本来の“ありたい自分”にだけ意識を向けて自分と向き合うとき、あなたの心も身体も魂も、その意識が向けられた方向に必ず進んでいきます。そして、あなたの人生は、本来の自分が望むあり方に進むことを、決して裏切りません。展開の形はどうあれ、「自分が本当に生きている」という実感が必ずもたらされます。その確かな手応えとエネルギー。それこそが、あなただけが感じられる最高の健やかさです。

“ありたい自分”を自由に思い描くことを、自分に許してあげるとき。
そして状況がどう見えようとも、自分の思考を超えたところで人生が完璧に動いていることを信頼し、委ね、任せることができたとき。

あなたは、絶対的な健やかさを、自分の内に感じるのです。